なかなか無い経験だったかも。箱根ガラスの森美術館が想像の斜め上だった

最終更新日

箱根は、美術館の宝庫。色んな美術館が揃っていて、楽しめますよね。

本当はポーラ美術館に再訪するつもりだったのですが、閉館中ということで、今回は行ったことの無い「箱根ガラスの森美術館」を訪れることにしてみました。

ご注意
ここから素人の浅はかなディスりが入ってしまうので、「箱根ガラスの森美術館」をこれから訪れようと思っている方、好きな方は閲覧厳禁です。一度訪れて「あら?」「なんか違う…」と感じた方はぜひ共感をmm

箱根ガラスの森美術館とは

箱根ガラスの森美術館は、箱根仙石原に位置し、大涌谷を背景にした庭園を中心に日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館と現代ガラス美術館のエリアで構成されています。また、ガラス細工の体験ができる工房やイタリアを感じられるレストラン・カフェなども併設されていて、箱根の人気観光名所となっています。

住所〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
TEL0460-86-3111
開館時間午前10時から午後5時30分(ご入館は5時迄)
入館料大人1,800円 大高生1,300円 小中生600円※駐車場代:300円
ホームページhttps://www.hakone-garasunomori.jp/

箱根ガラスの森美術館に到着!

箱根湯本温泉 吉池旅館」から約30分ほどで到着した「箱根ガラスの森美術館」。
ガラスアートが好きなので、どうしても期待してしまいます。

が、、、エントランスから「ガラスのもぉ〜〜り〜〜♪」とテーマソングが流れています。この時点で嫌な予感が…。なんだ…このテーマソングは…。

通常1,800円ところ、園内で使える500円の金券と合わせて2,000円になるスペシャルチケットが。こちらを購入することにしましたが、支払いにカードが使えないという…。かろうじてOTTOさんが現金を持っていたので良かったものの、今時これでいいのだろうか。(私のお財布の中の現金はこの時点で6円!!)

何よりこの価格設定が妥当かどうか、意見が分かれそうです。

庭園

入場するとまずは、美術館の中心となる庭園へ。

この美術館の目玉の一つ「光の回廊」。「光にキラキラしてキレ〜」と楽しむならいいかもですね。残念ながら、私たちの琴線には触れなかったです。それよりも、後ろの大涌谷の方に目が奪われます。自然ってすごいね〜。

クリスタルキラキラの木。もしかしたら作家さんの作品だったのかもですが、記憶が…。

池の真ん中にあるのは、現代ガラス工芸の第一人者で、米国初の人間国宝になっているデイル・チフーリの作品「パラッツォ・ドゥカーレ・シャンデリア」。

ずっと昔にドキュメンタリーを見たり、イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館のシャンデリアで彼の作品に馴染みがあったものの、チフーリの作品がこの美術館で見れるとは知らずラッキー!

ヴィクトリア&アルバート博物館に飾られているチフーリ作品。
初めて見た時は息を飲むくらい圧倒されました。

ただ。ただですね。汚いんですよ。池の水のように、緑色に汚れている。屋外に展示されることが多いチフーリの作品ではありますが、海外でもこんな感じなのかな…。

屋外に白色では、どんどん汚くなってくすんでしまう。あと、この場所には “白” じゃない。背景と馴染んでしまうので、この場所に展示するのであれば、色のある作品の方があっていると思います。

さらに言えば、500以上のパーツを組み合わせているこの作品を、もう少し近くでその複雑な造形を360度、色んな角度で見たいな…と。

また、このボートに入っているバルーンのようなガラス作品「Onions」もチフーリの作品ですが、しょぼい。ボートに乗せて川に浮かせるというのはチフーリのインスタレーション作品の一つではありますが、こうじゃない。

赤いチューブの「Walla Wallas」という作品は、またしてもチフーリ作品の “Wowファクター” が何も感じられない展示になっていてガッカリです。プロのキュレーターの方に素人が文句を言っちゃダメだと思うのですが、作品の良さが伝わらない。

ここの「Onions」も、悲しいくらいしょぼく見えてしまう。

現代ガラス美術館

「現代ガラス美術館」と呼ばれる建物の中には、デイル・チフーリとヴェネチアのガラス工芸の島であるムラーノ島出身のリヴィオ・セグーゾの作品が展示されています。素材は同じでも、全く異なるアプローチでガラスに向き合っているのは興味深いものの、お土産物屋さんの方が面積が広いような…。

米国 デイル・チフーリ

まずは、先ほどから登場しているチフーリさん。

2度の事故の影響で、左目が盲目になってしまい、さらには肩を脱臼したことで、自らガラスを作成することができなくなってしまったのだとか。今では、職人に自らのアイデアを伝えて制作をしているのだそう。

そんな彼の作品の一つ「マキア」。こちらもですね、、、展示方法がね。

とは言え、仕方ないんですかね…。チフーリらしいインスタレーション作品を実現しようと思うと、膨大な数の作品を購入する必要があるので、なかなか高額になってしまうのかな…(ただ、調べてみると富山市のガラス美術館のチフーリ作品は見応えありそうな展示になってそう)。

この色合い、自然で偶発的なフォルムがチフーリの真骨頂。

ブルーと縁のピンクのコンビネーションが印象的な「ペルシャン」。
ただ、行儀良く並べるのはね、違うと思うんですよ(何度もごめんなさい)。

「ヴェネチアン」という本作は、アール・デコのガラスに触発されて作られた作品だそう。

チフーリの作品の元となるドローイングも展示されていて、これだけでもお家に飾りたいくらいオサレ。

デイル・チフーリの魅力

「箱根ガラスの森美術館」ホームページでは、彼の作品を以下のように紹介していました。

作品そのものだけでなく、その作品が空間にどう働きかけるかということにも観点がおかれ、それぞれ違った大きさと形を持ったピースを一つのグループとして展示するというスケールの大きなシリーズに発展しました。

そうなんです。チフーリの作品って人工的で繊細なガラスを有機的な生物のように展示して、その群生感、ガラスの繁殖力のような、私たちが持つガラスのイメージとは真逆の世界観で見せること(インスタレーション)で、これまでの常識を覆したように思うんです。

チフーリ作品の魅力を紹介した、シアトルにある「チフーリ・ガーデン・アンド・ガラス」の解説がとても参考になりました。通常ガラスを扱う際は、ドロドロに溶けた状態のものを自分の望む形にするためにコントロールしようとするが、チフーリは重力と遠心力を利用したことで、ダイナミックで、オーガニックな印象の作品を作ることにつながったそうですよ。

制作方法・展示方法、ガラスの向き合い方全てがこれまでと真逆だからこそ、チフーリ作品には今まで感じたことがなかったWowを感じることができるのだと思います。

イタリア リヴィオ・セグーゾ

ヴェネチアングラスの工房が集まる島として有名な「ムラーノ島」。確か、歴代の王様がその高い技術が流出しないように、島にガラス工房を集めたと聞いた記憶があります(ここに書いてました)。

そんなムラーノ島で生まれ育ったセグーゾさん。世界的に活躍した叔父さんのもとで修行をして、ガラスを使った彫刻家として活躍しているそうです。

透き通ったガラスと異素材を組み合わせた繊細な作品たち。

「LE TRE GRAZIE(賛美神)」は、球体の中に3つの気泡が入った大きなビー玉のような作品。

見る角度によって虹色に光る輝きに、純粋さや女性の優美さに対する賛美が込められているのだとか。

どの作品も、透明で繊細であるがゆえに、見る人が感じ、考えられる余白を存分に与えてくれる。とてもポエティックな作品ですね。

ガラスの気泡で二つの生命体が統合する様を表現した「SINTESI(統合)」。

3枚のガラスが結合され一本のワイヤーで吊るした作品「SOSPENSIONE(懸垂)」は、絶妙なバランスです。人と人との関係だったり、人と自然との環境だったり、微妙なバランスで成り立っている世界観を表現しているようにも感じました(勝手な妄想です)。

ヴェネチアン・グラス美術館

レースガラスで有名なヴェネチアン・グラスを展示した美術館ぽいところです。

レースガラスはホントキレイです。

職人技に感動。

風にそよぐグラス。この作品・技術はホントすごかったです。
この細い足で、本当に風に揺らぐんです。ひえ〜

ここまでお届けしてきました「箱根ガラスの森美術館」ですが、美術館と呼ぶには苦しい展示もあったりで、入館料が1,800円はないですね。300円くらいでしょうか。彫刻の森美術館の1,600円より高く、駐車場も別料金って…はて…。

ちなみに、500円分の金券はイタリアンレストランのお茶代に(カフェ代は560円くらいだったと思います><)。こちらのお店、カンツォーネの生演奏が聴けるのですが、音が大きすぎて、それもちょっと苦痛で落ち着けなかったです。

「箱根ガラスの森美術館」のオススメ度は、「☆」無しです!
海外の高評価を付けている美術館と比べてしまうと…ちょっと……。

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